ボヘミアの夏休み

焼けつくような暑さの中、週に2度「ガレリエ・クラール」に行くのもなかなか悪くない、と思っている店長ビビアナです。さて、ヨーロッパではバケーションの季節です。今日は「ボヘミアの夏休み」について語りましょう。

年中まじめに働く日本人と違って、欧州人は休みを大切にします。日本人のような働き方ならば、ヨーロッパ人は誰も働かない、と言っても過言ではないでしょう。欧州では働くどんな人も、年間5〜6週間の有給休暇があり、それをフルに使うのが当たり前です。しかも国によっては「与えられた有給のうち、少なくとも2週間は連続で取らねばならない」という、ありがたい法律があります。いいな〜、うらやましいなぁ〜、ここまで聞いて「日本人やめたい」と思った人、結構いるんぢゃ・・・(笑)。

夏のバケーションは、みんな大抵7月後半から8月末の間に、1〜2週間取ります。どんな用件があろうと、大事なプロジェクトがどんな段階だろうと、この休みの間は、家族でゆったりとすごします。そういうものなんです。それをはしょるようじゃ人間じゃないーこれが欧州での常識です。勿論チェコでも、そうです。
チェコが共産国だった頃、一般民衆が夏休みに最もよくでかけたのは、旧ユーゴスラビア(えーと今でいうと、クロアチアかな!?)のアドリア海に面した海岸でした。一般の人達の、西側への出国が厳しく制限されていた時代なので、それ以外に選択肢がなかったとはいえ、クロアチアの海岸は(現在でも)とても美しい。「海面が胸にくる深さまで入っても、自分の足の指がはっきりと見える程きれいなんだ」と、全てのチェコの友人から、よく聞かされました。あんまり聞いたので、すっかり自分も行った気になっています楽しい

国の体制が変わって、自由に西側に出られるようになってからの夏休みに、チェコ人が最初に押しかけたのは、イタリアでした。チェコの皆さんが大変よくお買い物をしたようで、べネチアでは片言のチェコ語を駆使して、みやげ物や革製品を売る商売熱心なイタリア人がいたほどです。その次にスペインブームが起き、ここ何年かはギリシャに行くのが、一般的ですかね〜。
なんてったって冬にはマイナス20〜30℃になる寒〜い国ですから、人々は短い夏の間くらい、燦々と輝く太陽を求めて、熱心に移動するわけです。(それはドイツも、ポーランドも、皆そうなんですけどね。)

さて、私自身のボヘミアでの夏休みの体験を、お話ししましょうか。
あれは、確か私がチェコの会社に入社して数年後の、まだ20代だった頃。その時、特につきあっている恋人もいなかった私は、自分の夏休みを、チェコの合気道の友人宅を転々とすることで過ごしたことがあります。夏ったって、その頃のチェコじゃあ(今ほど異常な暑さにはならなかったのです、昔は)、せいぜい25℃位で湿気もなく、日本人には「ただ快適なだけの6月か?」みたいな気候でしたね。
稽古のある日は、プラハの道場で汗を流し、ある日「泳ぎに行こうぜ!」ということになりました。チェコに海岸はありませんから、プラハの人は小さな湖や池のほとりに行って、日光浴をしたり、軽く泳いだりします。そういった場所が、日本の公園のようにきれいに手入れしてある筈もなく、殆どは人の身長ほど草がぼーぼーに生えた、原生林のような所です。かきわけてモサモサ歩いていくと、池があり、所々で皆が勝手に服を脱いで、日光浴してます。

事前に、友人から聞かされていました。「まず君は、そんな場所に現れる唯一の東洋人だろうから、必ずジロジロ見られる。それはいやらしい目つきでじゃなく、君が珍しい存在だからだ。特に恥ずかしがる必要はない。あと逆に、すべてをさらけ出してる人がたまにいるから、ショックを受けないように。こっちじゃふつーのことだからね」と。 「うん、わかった」と答えたものの、いざ池のほとりに行ったら、思ってたよりホントにジロジロ見られた。ほぼ全員が、私の一挙手一投足を凝視する。
「わー、やめれー!!」ーそう思った私は、草むらをかき分け、人の少ない所へ行ってこっそり泳ごうと思った。ずんずん歩くと、いきなり私の背の高さほどあった草むらが消えた。消えたと同時に、ものすごい物が現れた。
茶色くて、小山のような物体。なんだか表面は全体的に、うすく毛のようなもので覆われている。視力が極度に悪い私には、それがなんだか、すぐにはわからず。少し近づいて、髪の毛が全部吹っ飛ぶくらい驚いた。

なんとそれは、こんがりやけた、素っ裸のボヘミアのおっさんであった。

視力が悪いおかげで細部は見えなかったが、明らかに洋服らしいものは身にまとっておらず、仰向けで(小山だと思ったのはその人のビール腹で、体全体にセーターのような体毛があったらしい)、大また開きで寝ていた。

ドリフのコントで、志村ケンがおばけを見て、あわてて長さんの所へ戻るがごとく、「わわわわ〜」と力のない声を発して友人の元へ帰る私。「だから言ったろ?」と仲間には爆笑されたが、私的には一生忘れられないショックの原風景となった。(あぁ、今でも鮮やかに覚えています。視力が悪いなりに、ピンボケたあの映像を・・・。)
懐かしいような、2度と遭遇したくないような、まるでボヘミアのビールのような、あたくちの「ほろ苦い思ひ出」であります。

downちょうどこんな季節の「ボヘミアのおっさん」を、もっとよく知りたい人(−そんなんおるんか!?)は、こちらをどうぞハート
ボヘミアのおっさん 2009.07.03
downこの時、池のほとりへ私を連れて行ってくれたチェコの友人との再会はこちらから。
チェコの旧友に会う 2009.05.16
downボヘミアの休暇、冬バージョンを知りたい方は、こちらからどうぞ。
ボヘミアのクリスマス 2008.12.24
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    ボヘミアのおっさん

    今年の梅雨は気温がそれほど高くなく、不快指数がいつもより少し低いのでは・・!?と感じている店長ビビアナ@アラフォーでございます。
    皆さま、いかがおすごしですか?

    今日は、少しおかしなこと、書いてみましょう。
    「ボヘミアのおっさん」についてです。
    私がチェコの人たちと関わりを持つようになって、19年ほどたちます。
    特にチェコの国営会社に入社してからのこの17年は、仕事を通して、圧倒的に多くの数のおじさま達に会いました。

    出張や休みでチェコに行くと、ガラス工場や飲み屋によく行ったものですから、どうしても仕事の後の食事から、週末の自由な時間まで、おっさんにまみれて共にすごしちゃいます。
    それがいやなら、他の方法もあったのでしょうが、どういうわけでしょうか、私はおじさん達とずぅっと一緒にいても、あまり苦しくはなりません。むしろ話があって楽しい・・・。
    なぜだ、なぜなのだ!?普通若いねーちゃんなら、同世代の女の子達とファッションとかボーイフレンドの話するのが好きですよね?
    私、20代のころからあんまりショッピング好きじゃないし、きゃーきゃーするより、「がっはっは!」と酒を飲むのが楽しくてたまりませんでした。
    こんな自分に「前世は男で、ぜっこーちょーのおやじだったのだろうか???」などとわけのわからんことを思いつつ、とにかくボヘミアのたくさんのおっさん達と交流を深めました。というか、自然に深まりました。

    そんな中で、ある不思議な規則性を見つけました。
    仕事が終わりプライベートタイムになったり、週末など、ちょっとおしゃれな格好をしてみたくなるボヘミアのおっさんたちは、必ず「柄シャツ」を着て登場します。
    その柄も、必ずといっていいほど、皆同じパターンです。彼らなりに、ごくわずか〜な変化で、個性やセンスを主張してはいますが、異国の私達が見れば、「制服?あるいはどっかの条例で、そういう柄のシャツしか着るなって言われてる?」と思ってしまうくらい、みな同じに見えます。

    近頃のプラハのヤングボーイは違いますが、しばらく前の、うちの本社があるあたりの田舎町になると、若めの子からおっさんまで、夏はみんな柄シャツでした。
    柄シャツに囲まれ酒を飲み、柄シャツのわずかな違いで人を見分けてました。私のアルバムの中にも、たーくさんの柄シャツ、あいやおっさんが写っています。

    これから夏のシーズンにチェコへ行かれる方、ちょっと気をつけて、地元のおっさんを見てみて下さい。
    ぜったいに、柄シャツを着ています。しかもそーとー似た雰囲気のやつを、まるでお揃いで購入したかのように、みんな着てますからっ!!
    笑っちゃいけませんよ!
    彼らは、それが「ちょっとしたオシャレ=女性へのアピールポイント」だと信じているのですから!!文化です。
    ボヘミアのおっさんの柄シャツは、立派なチェコの文化ですっ!

    どーも失礼しました。
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      ボヘミアのビール(3)

      日本では、例えば「カー・オブ・ジ・イヤー」なるものが存在するように、
      チェコでは、毎年「ビール・オブ・ジ・イヤー」を決めるコンクールが
      あります。
      審査員が誰で、どんな審査基準かは、まったく知りませんが、
      「今年はどのビールが最高賞をとったか」
      は、町のおやじ達の間で、必ず話題になります。
      結果が、自分の舌の感覚とあっていたかどうか確かめる、という言い訳の
      もと(?)、おやじ達は更に杯を重ね、ビールに対する「味覚」を磨きます。

      「みかく」?−ビールって、食べ物じゃないやん?飲み物やんけ?
      っとつっこもうとするあなた!、それがちがっているのでございます。
      こんなエピソードを紹介したら、わかって頂けるでしょうか。

      昔、まだ私が学生だった頃、あるチェコ人の友人宅で年末・年始を過ごし
      ました。およそ3週間も、極寒の地にいたもんですから、時差ボケだけで
      なく、私の体にも多少異変が起こりました。
      「ちょっと頭痛がします」「少し食欲が落ちたかなぁ」「胃がムカムカするん
      だけど」−こんな風に、体調のわずかな変化を伝えると、滞在させてもら
      ってたおうちの方が、毎回しばらく真顔で考え、必ずなんらかの種類のお酒
      を持ってきては、「その症状には、これが一番よく効くから、くいっと飲んで」
      と薦めてくるのです。
      体調を整えるのに酒!?と日本人は思うでしょう?
      もともと飲んべぇだった私は、???と思いながらも、「これも新しい酒が
      飲める貴重なチャーンス!」とばかりに、すべて薦められるがままに、摂取
      しました。すると、本当に治ってしまったのです!

      冬場は大地が凍りつき、野菜など全く取れないボヘミア。私がすごした年
      は、チェコとスロバキアが平和的分離をした直後で、体制は変わっていた
      ものの、まだスーパーにはそれほど食材が並んでいませんでした。
      お買い物に行っても、野菜コーナーに生野菜が全然おいてありません。この
      国の人は、冬場はどうやってビタミンを摂取するのだ??本気で疑問に思っ
      た私は、その日の夕食時に、お世話になっていた一家のお父様に尋ねてみま
      した。間髪も入れず、帰ってきた答えは、
      「ビールは野菜だよ。ビールには人間に必要なビタミンEや、その他色んな
      ものが、皆入っているじゃないか!」

      私的にはバカ受けだったので(ーだってこれを日本で妹に言っても、「お前、
      またビール飲む、新しい言い訳考えたの?」って言われるだけで、まず信じ
      てもらえないだろうし)、おかしくて吹き出そうとしたんですが、お父様の
      表情があまりにマジなので、マジに受け答えするしかなく、「はぁ、そうな
      んですね・・・」と会話は終わりましたとさ。

      また、胃酸過多の人に、チェコの医者は「毎日ピルスナーを1杯飲め」と
      言います。チェコ中で作っているビールの中で、ピルゼン市の「ピルスナー
      ウルケル」という銘柄だけが、胃酸過多に効くペーハー(ph)濃度だからな
      んですけど。いや、ほんとにほんとですって!!

      最初にも書きましたが、ビールなんぞで、ボヘミアの人は酔いません。
      喉が渇いたら、最も手に入りやすいドリンクで、それにはビタミン・カロチン
      などの栄養素も豊富、消化も助けるし、それぞれの銘柄にはその土地・町
      で受け継がれてきた「伝統の味と香り」があり、今さら生活から切り離して
      は考えられないものです。
      日本で、ビールは「アルコール飲料」でありましょうが、
      ボヘミアで、ピボ(=チェコ語でビール)は、「命の水」、「命の食材」です。

      どうですか?
      日本で、ボヘミアの「ビーズ」と「ビール」を語らせたら、私より詳しい
      人はあまりいない、と申しましたが、本当にそうだったでしょ?
      ビールの話、ご愛読ありがとうございました。
      今度は、ビーズのお話にしようかと思ってます。

      ビール全編読みたい方は、こちらからどうぞdown
      ボヘミアのビール(1) 2009.02.01
      ボヘミアのビール(2) 2009.02.05
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        ボヘミアのビール(2)

        前回にひき続き、ボヘミアの人にとっての「命の水」(=ビールビール)に
        ついてお話ししましょう。

        チェコでは、大抵どの町にも「昔から作っている地元の味」のビールが
        あります。
        歴史が何百年も遡れるもの、有名なもの・無名なもの、色も匂いも、
        名前もさまざまですが、どれを飲んでも、誠に美味でございます。

        日本のビールと比べて、最も違うのは匂いです。
        ゴクっと飲んだ時、ちょうど喉仏の辺りを通る時に、香り豊かなビールの
        場合、ほわ〜んと鼻の奥に何かが立ちこめます。言葉で表現するのは
        難しいですが、日本のビールには絶対ない「不思議な香り」が、つーんと
        鼻の方へくるのです。
        初めて飲んだ時、「なんだこりゃ!?」と思いました。しばらく続けて
        飲むと、それがくせになり、今度はその香りがないと淋しく感じてしまい
        ます。そうなれば、立派なボヘミアンビール愛好家。

        日本には「ピルゼン」も「ブドワイズ」も、瓶詰めや缶のものが多少輸入
        されていて、たまーに珍しもの好きな酒屋さんに置いてあったりしますが、
        それらには保存料が入っていて、どうしても現地で飲む「生ビール」の味
        には劣ってしまいます。
        というか、比べられません。それくらい、おいしいビールは生で、現地で
        飲まなきゃ意味がないんです。

        もひとつ、おもろい話をしましょう。
        昔出張でチェコへ行った時、本社の同僚にこう頼みました。
        「外国人相手のかっこつけたレストランじゃなく、現地のおっさんしか
        行かないような、チェコの本当の『居酒屋』に行ってみたいんだけど」と。
        本社の同僚(男性2人)は、一瞬ぎょっとした顔をしました。
        で、しばらく2人でぼそぼそと話し、「あのさ、マジで驚かない?お世辞
        にもきれいやオシャレじゃないし、君みたいな若い女の子(←その時は20
        代)、ましてやアジア系の顔をした子は絶対にいないから、ジロジロ見ら
        れたりするよ。君が飲めるのは知ってるけど、ほんっとに行きたいの?」
        って。
        ああ、ごちゃごちゃうるさいなー。あたしゃ、こまけーことは気にしない
        んだよ。ウマい酒が飲めりゃいいじゃないか、っていう娘の皮をかぶった
        おやじなんだから、とっとと連れてってくれよ!!ってなわけで実現。

        この日、仕事が終わるのが待ちどおしかったねー。(大事な客を連れて
        ものすごくまじめな商談の通訳をしておったんですがね。)
        さて、仕事後、いざ居酒屋へ!
        わー、きったねー。ほんっとにおっさんしかおらーん。みんながこっちを
        見るよー。気にしたこっちゃねぇ。早速ビールを注文。ウマいっ!!
        夏だったもんだから、いくらでも飲める。
        チェコの居酒屋のとっても素敵なシステムラブ。普通日本なら、ビール
        のおかわりをする時、「すいませーん、ジョッキもう1つぅ!」と店員さん
        に頼みますよね?チェコではね、ビールは500mlのジョッキが最小サイズだ
        けれども、それがなくなってくると、ミニスカートはいたねーちゃんが、
        自動的に満タンの次とグラスと取り替えてくれるの。
        で、ボロボロのわら半紙みたいな紙に、鉛筆で何杯飲んだか線を引っ張って
        いく。帰る時に、その線の数をかぞえて、お金を払って帰るというわけ。

        だから、何も言わなきゃ、延々と自動的におかわりがくる。
        まあ、なんとワンダフルなシステムなのでしょう!
        いらなくなったら、「もういいよ」って言えばいいんですが、チェコ人は
        なかなか言いません。私もそんな雰囲気につられて、どんどん飲んじゃい
        ました。気がついたら7杯、えっ、それは3.5リットル飲んだってこと!?

        で、もっとおもろいのが、だーれも「つまみ」を食べてないってことです。
        地元の居酒屋に来るおっさん方は、皆うちで軽い夕食を取ってから来ます。
        飲み屋に来たら、基本的に「酒しか飲まない。」それも欧州人は、あんまり
        ちゃんぽんとかもしませんから、今日はワインと決めたらワイン、ビールで
        始まれば、最後までビール、と1種類のお酒を、つまみなしで、延々と
        飲むのです。
        ボヘミアの場合は、99.9%居酒屋でビールを飲んでます。

        これと比較すると、日本人の飲み方はとっても健康的ですよ。
        冷奴に枝豆にと、体にいいものばかりつまんで、飲酒してますから。
        平均寿命が長い筈だよなぁ、と私はボヘミアの地で、妙に納得。
        同時に、もし自分がここに住んでいたら、間違いなく中年でドラム缶サイズ
        の体格になり、還暦を迎えずして肝硬変で死亡かな・・・?と思ったりして。(苦笑)

        確かに、チェコ人の平均寿命は、あんまり長くなかった気がします。
        でも彼らに、「ビールを飲まないで長生きしたいか?」と聞いたところで、
        愚問です。一笑にふされて終わりでしょう。
        「命の水」なんですもの。ビールと共に人生をおくる国なのです。
        それがボヘミア。

        お話は、まだつづきますよ〜。
        今夜はこのへんで。さよなら、さよなら、ナスフレダノゥ(=チェコ語で
        さよなら。)

        ビール全編読みたい方は、こちらからどうぞdown
        ボヘミアのビール(1) 2009.02.01
        ボヘミアのビール(3) 2009.02.14
        0

          ボヘミアのビール(1)

          さて、お店のドメイン引っ越しでバタバタし、しばらく新ネタを書く暇がありませんでした。
          今夜は、アクセサリーをちょっと離れて、ボヘミアの「命の水」についてお話ししましょう。

          皆さん、「国民1人あたりの年間ビール消費量が、世界で一番多い国」って、
          どこだと思われますか?
          ドイツ!−そう、私もそう思ってました、統計を見るまでは・・・。
          実は、ぶっちぎりの1位は「チェコ共和国」なのです。

          グラフを見るとおもしろいんですが、1位だけがびよーーーーんと突出してます。
          2位はドイツなんですけど、なにせ1位と2位がもんのすごく離れてる。
          これはどうしたことか!?と思うくらいに。
          そして2位以下は、大した差もなく、どんぐりの背比べ程度に下降していきます。

          日本では、「ビール」っていうとドイツやベルギーのイメージがありませんか?
          チェコのビールや、チェコ人がこんなにたくさんのビールを飲んでいること、誰も
          知りませんよね?そこで今夜は、私が解説しましょう。
          ボヘミアの「ビーズ」と「ビール」を語らせたら、私より詳しい人は、日本に
          なかなかいません。(←変な自慢)

          まずはビールの原材料ホップについて。
          世界で最も良い品質のホップがとれるのは、現在のドイツ・ミュンヘンからチェコ共和国を楕円でくくった辺り。
          日本でも、大手ビール会社がチェコのホップを輸入し、ビールを製造しています。
          ビールには、「ピルスナー」「バドワイザー」など、世界的に知られた名前がありますが、これがチェコに実在する「ピルゼン」「ブドワイズ」という街の名前を英語読みしたものだ、ということを知る日本人はあまりいません。
          日本で作られる大手ビールは、全て「ピルスナー製法」という作り方。
          ビールを飲む細長くて、短い足のついたグラスは、一般に「ピルスナーグラス」と呼びますね。

          「バドワイザー」は、恐らくチェコかその周辺から移民した人がアメリカで作り始めたビールに、英語読みしたその名をつけたのでしょうが、これが結果として大変失礼なことになってしまった。ビールが好きな人ならおわかりになると思いますが、アメリカのバドワイザーは、お世辞にもウマいとは言えません。
          本家本元のチェコの「ブドワイズ」が、濃厚で重圧、飲みごたえのある、通に好まれる味のビールであるだけに、大変な誤解を世界中に作ってしまった。
          自国のビールの旨さを、戦後の社会主義時代に、西側諸国に宣伝してこなかったチェコにも責任はありますが、とにかくボヘミアのビールは、日本であまり知られていないだけで、実は味も消費量も、グンバツの優れものなのです。

          消費量が、なぜぶっちぎり世界一なのか。
          これは単純に、チェコ国内で価格が安かったから、が第1にあげられる理由でしょう。
          経済恐慌のここ2年あまりはおいといて、ひと昔まで、ビール1杯(500ml)ビール
          50円くらいでした。
          チェコでは、ミネラルウォーターより安い飲み物だったのです。
          おまけにチェコの人は、ビールなんかでは酔いません。
          ビールはアルコールではなく、生活の中に欠かせない空気のようなものですから、
          喉が渇けば午前でも昼でも、普通に飲みます。
          最近はどうだか知りませんが、旧体制の時は、別に仕事中にビールを飲んでも、
          私達がオフィスでコーヒーを飲むのと同じ感覚で、誰もどがめないし、罰せられない。
          とにかく普通のことなんです。
          私も出張でチェコの本社に行った時には、必ずランチタイムに、本社の偉い人や同僚と、
          普通にビールを飲んでました。お酒に強い私も、ビールではなかなか酔いませんから、「いや、こりやウマいなぁ。日本でより堂々と飲めて、『酒飲みの主権』が守られているではないか。この点だけとってみれば、なんてよい国なんだ・・・」
          と心中思いながら、そのお求め安さ(=価格)にも感動していたものです。

          ガラス職人のおじさま達には、すばらしい特権がありました。
          年中1000度以上の釜の前でガラスを吹いている職人達は、定期的に水分補給をしないと脱水症状を起こしてしまいます。なのでいつも「何か」を飲みながら、働かねばなりません。
          その「何か」は、もちろんビールでした。
          彼らの水分摂取量は、さすがに他の職業の人より多いので、アルコール度数が特別に下げてある「職人用ビール」なるものが存在します。それをちびりちびり、夏になればぐびぐび飲みながら、美しいボヘミアガラスを創り出すわけです。
          昔、工場でおじさん達に、そのビールを飲ませてもらいましたが、なかなかいける味でした。
          お酒に弱い日本人なら、あれでも1本飲めば十分に酔いますわ。

          そんなわけで、ボヘミアにおいて、ビールはまちがいなく「命の水」です。
          話にはながーいつづきがありますので、今夜はここまでとしましょう。
          次回を、お楽しみに。

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          ボヘミアのビール(2) 2009.02.05
          ボヘミアのビール(3) 2009.02.14
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