ボヘミアのビール(3) | ボヘミアの宝箱 お店スタッフの声

ボヘミアのビール(3)

日本では、例えば「カー・オブ・ジ・イヤー」なるものが存在するように、
チェコでは、毎年「ビール・オブ・ジ・イヤー」を決めるコンクールが
あります。
審査員が誰で、どんな審査基準かは、まったく知りませんが、
「今年はどのビールが最高賞をとったか」
は、町のおやじ達の間で、必ず話題になります。
結果が、自分の舌の感覚とあっていたかどうか確かめる、という言い訳の
もと(?)、おやじ達は更に杯を重ね、ビールに対する「味覚」を磨きます。

「みかく」?−ビールって、食べ物じゃないやん?飲み物やんけ?
っとつっこもうとするあなた!、それがちがっているのでございます。
こんなエピソードを紹介したら、わかって頂けるでしょうか。

昔、まだ私が学生だった頃、あるチェコ人の友人宅で年末・年始を過ごし
ました。およそ3週間も、極寒の地にいたもんですから、時差ボケだけで
なく、私の体にも多少異変が起こりました。
「ちょっと頭痛がします」「少し食欲が落ちたかなぁ」「胃がムカムカするん
だけど」−こんな風に、体調のわずかな変化を伝えると、滞在させてもら
ってたおうちの方が、毎回しばらく真顔で考え、必ずなんらかの種類のお酒
を持ってきては、「その症状には、これが一番よく効くから、くいっと飲んで」
と薦めてくるのです。
体調を整えるのに酒!?と日本人は思うでしょう?
もともと飲んべぇだった私は、???と思いながらも、「これも新しい酒が
飲める貴重なチャーンス!」とばかりに、すべて薦められるがままに、摂取
しました。すると、本当に治ってしまったのです!

冬場は大地が凍りつき、野菜など全く取れないボヘミア。私がすごした年
は、チェコとスロバキアが平和的分離をした直後で、体制は変わっていた
ものの、まだスーパーにはそれほど食材が並んでいませんでした。
お買い物に行っても、野菜コーナーに生野菜が全然おいてありません。この
国の人は、冬場はどうやってビタミンを摂取するのだ??本気で疑問に思っ
た私は、その日の夕食時に、お世話になっていた一家のお父様に尋ねてみま
した。間髪も入れず、帰ってきた答えは、
「ビールは野菜だよ。ビールには人間に必要なビタミンEや、その他色んな
ものが、皆入っているじゃないか!」

私的にはバカ受けだったので(ーだってこれを日本で妹に言っても、「お前、
またビール飲む、新しい言い訳考えたの?」って言われるだけで、まず信じ
てもらえないだろうし)、おかしくて吹き出そうとしたんですが、お父様の
表情があまりにマジなので、マジに受け答えするしかなく、「はぁ、そうな
んですね・・・」と会話は終わりましたとさ。

また、胃酸過多の人に、チェコの医者は「毎日ピルスナーを1杯飲め」と
言います。チェコ中で作っているビールの中で、ピルゼン市の「ピルスナー
ウルケル」という銘柄だけが、胃酸過多に効くペーハー(ph)濃度だからな
んですけど。いや、ほんとにほんとですって!!

最初にも書きましたが、ビールなんぞで、ボヘミアの人は酔いません。
喉が渇いたら、最も手に入りやすいドリンクで、それにはビタミン・カロチン
などの栄養素も豊富、消化も助けるし、それぞれの銘柄にはその土地・町
で受け継がれてきた「伝統の味と香り」があり、今さら生活から切り離して
は考えられないものです。
日本で、ビールは「アルコール飲料」でありましょうが、
ボヘミアで、ピボ(=チェコ語でビール)は、「命の水」、「命の食材」です。

どうですか?
日本で、ボヘミアの「ビーズ」と「ビール」を語らせたら、私より詳しい
人はあまりいない、と申しましたが、本当にそうだったでしょ?
ビールの話、ご愛読ありがとうございました。
今度は、ビーズのお話にしようかと思ってます。

ビール全編読みたい方は、こちらからどうぞdown
ボヘミアのビール(1) 2009.02.01
ボヘミアのビール(2) 2009.02.05
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