チェコの旧友に会う | ボヘミアの宝箱 お店スタッフの声

チェコの旧友に会う

あれは18年ほど前のことだったか。
まだ私が、将来自分がチェコの国営会社に入社するとは、露も思わなかった学生時代の終わりに、「生涯で最初で最後の東欧訪問になるだろう」と考え、(当時の)チェコスロバキアを訪れた。
大学時代に始めた合気道を、なぜかやめなかった私は、卒業後も新宿の本部道場に通い、稽古を続けていた。そこで、チェコスロバキア出身の友人に出会った。当時、たどたどしい英語でしゃべりながら、チェコがどこにあるのか、さっぱりわからなかった。おまけに「共産圏で、ソ連の衛星国?」という以外に、なんにも知らなかった。そんな所に、日本でもまだマイナーな合気道をやる人がいるの!?ー俄然、興味を持ってしまった。(back今思えば、これが今日の私に結ぶつく、すべてのきっかけだった。)

道場の友人を頼り、クリスマスからお正月にかけて、3週間ほどチェコに滞在した。ホテルには1度も泊まらず、ずうずうしさでは天下一品の私は、合気道の友人の家をいくつか泊まり歩いた。その上、今まで訪れたどこの国でもそうしてきたように、泊まった家のお母さまかおばあさまから、チェコの伝統料理の作り方を教わった。
今年の2月14日のブログ「ボヘミアのビール(3)」でも書いたように、その時に、チェコのお酒の飲み方も、一通り教わった。(とても幸せだった。)

プラハの合気道の道場では、滞在中何度も稽古した。
当時共産党政権下で、合気道の稽古をすることは、公式に禁じられていた。
なせだと思いますか?
合気道には試合がありません。勝ち負け、優劣を決めず、他人と「気」を合わせ、「和」を目指す考え方は、共産党政権からは「危険思想の1つ」とみなされていたのです。
それでも合気道という不思議な武道の情報は、周囲の、特に地続きの西側の国から、いくらでも入ってきます。その時のプラハの友人達は、公式名を「古いスタイルの柔道教室」ということしにして、やっていました。何も考えず、日本でぽかーんと大学の合気道部に入った私とは、モチベーションが全くちがっていました。

その時に友人になって以来、ずっと行き来の続いている人が何人かいます。私よりずっと年下の彼らですが、この5、6年は互いに出産・育児が重なり、なかなか会えないでいたのですが、やっと、遂に再開を果たしました。彼らが、日本での合気道の合宿に参加するため、来日してくれたからです。はずかしながらも、(せっかくチェコの会社の連絡事務所なわけですから)、このせっまいオフィスにも、来てもらいました。


そして友人の一人が、左の写真にあるネックレスを、「これ、素敵!」と言ってくれました。
それは「宝箱」デザインチームが、「オールボヘミアの良さを伝えよう!」と創ったオリジナル作品(AN0094-RH)でした。





もう一人の男の友人は、色違いの方(AN0095-Gback)をいたく気に入り、奥様のおみやげに、と持って行かれました。


私達が驚いたのは、彼女がつけると、同じネックレスなのに、日本人の私たちがつけた時とは、作品のイメージがガラリと変わることでした。肌の色?国民性?雰囲気?−何のせいなのか、とにかく自分達で創った作品の、全くちがう面を見せられ、とても新鮮でした。




彼女は喜んで、その日ずっとつけてくれていたのですが、オフィスを出る前に、
「チェコで生まれたビーズが、あなた達日本人の感性と手にかかると、こう生まれ変わるのね。私は、このネックレスに吹き込まれた『日本のこころ』が好き。
チェコのデザイナーは、こんな繊細なものは作らないと思うから。ありがとう、チェコのビーズを、日本のスタイルできれいに見せてくれて。」

と言いました。
その時に、デザインチームのフローラの目に、キラリと光るものが・・。
私には、彼女の心が、うれしくて震えているのがわかりました。



作品を創り出す人達にとって、1つ1つの創造物は、作る人そのものであり、その人の分身のようなものです。
それを、そこに入っているスピリット(=魂)ごと理解されたら、(普通そんなことは、あんまりないので)天にも昇りたくなる喜びです。

武道を介して続いた友情が、思わぬ側面から、私の仕事と大切な同僚を、励ましてくれたのでした。
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