あれは1年前、丁度私が2人目を妊娠中の時でした。身重の私に代わり、単身チェコへ出張にでかけたペドロくん。親しい本社の社員と色々なビーズ工場を訪ね歩いておりましたとさ。そこで見かけたのが、この底が平らなドーム状のハンドメイドビーズ。
「球型のはよくあるけど、なんだこりゃ?!」ーでも本能的にサンプルを購入してしまった。きっと何かおもしろいものになる・・・そんな第六感が働いたのでしょう。(彼はいつも直感で、大胆なことを決める。)
帰国後、ああでもない、こうでもないと試行錯誤が続く。誰も頼んじゃない、命令もしてない。でもこのドームビーズをなんとかしよう!と勝手に責任感みたいなものがあったらしい。まもなく平らな部分が体にフィットしそうだから、ペンダントヘッドにしようということになった。
同系色のボヘミアのソロバン型(スワロではありません!念のため)をあわせ、幅広い太さのネックレスに通せるようにしたいし、気分で使い分けられるように着脱可能にしたいという。そんな便利なパーツがあるかっ!!と内心思う私をよそに、連日パーツ屋を巡り歩くペドロくん。いつからそんなに研究熱心になったのか。っつーか、日常の業務わ?!ある日、
「納得できる強度のものがないから、パーツ屋で鋳型起こすように頼んできた。」
おい、それはいくらかかるんだ?!?
そんなこんなでやっとできた金具に、今度はメッキがうまく乗るだろうか、という懸念が生じた。金属のうすーい所にも均一したメッキがちゃんとのるか、磨けるか。いつも無理難題を頼んでいる腕のいいメッキ屋さんも、今回は自信がないという。メッキが乗らなきゃ、型まで起こして作った苦労(と費用)がパァ。ここまでくると「こだわるのもエエ加減にせえよ」と止めたくなる。
いつ止めるか。いや、あの頑固一徹、年上の私が止めたところで止まるような輩ではない・・・・。あぁ、もう私は失ったお金をどう埋めるかだけを考えよう、とあきらめかけていた頃、メッキがきれいにのって仕上がってき。できあがりをこの目とこの手でも確かめてみる・・・・ブラボー!!
やったぁーーー!!!
普段は落ち着いた大人の女性であるデザインチームのフローラも、この時ばかりは、飛び上がって喜んだ。やった、これで作れる、製品になる!世に送り出せる!!
(うるうる)
費用と時間はたっぷりかかりましたが、ビーズの美しさと、金具のでき具合も含めて、自信をもってお薦めできる品質に仕上がりました。
これをつけてる日、11ヶ月になる娘は両手でつかもうと必死。その必死な顔がとても滑稽です。今まで何度も引っ張られましたが、一度も金具が外れたことはありません。赤ちゃんって結構怪力だから、これはある意味強度を証明してますね。うふふ。