ああ、おおみちょか。今年も、齢を重ねた(アラフォー)新米ママには、キツい1年でした。それでは若き夫・ペドロ君(ポルトガル人、33歳)と、幼い子供達との、ほほえましい(?)エピソードを。
<その1>
下の娘・ほうみは気分屋で、ご飯の時もぐずぐす・ダラダラ、なかなか食べ終わりません。明確な理由もなくグズるので、(躾には厳しい夫も)普段は疲れているか妥協するかで、あきれて見ているのが殆ど。
だが今年のある日、だんだんこちらの言う言葉もわかってきだした頃、注意されているのに、娘はニヤニヤ笑ってました。それでぷっつんきたペドロ君、「親をばかにするなっ!!」とほうみ(その時1歳半)をかついで階上へ。
暗い寝室のベッドに放り込みましたとさ。気の弱い上の息子だと、ここであっさり、「ごめんなさい〜、わ〜1人やだ〜!」と降参するのですが、主人とそっくりで、気質が「誇り高き欧州の女」であるほうみは、こんなことじゃひるみません。
まず手すりのあるベッドから脱出。出るっつっても足が届くわけじゃないので、手すりを体で乗り越えた後は、「どてーん!」と自ら落下。体中にたっぷりついたお肉のせいで、そん位は痛くもなんともないらしく。
で、ドアノブをひねれるようになったので、部屋から出てこようとしたわけです。「なにぃ?出るだと!?それは許さん!!」
すかさずペドロは、オイルヒーターや掃除機などをドアの前に立てかけ、脱出を阻む。それでも肉厚で、大声で泣いて出てこようとする娘。(あっぱれじゃ)
この頃、娘は「おばけ」が怖くなり始めていた頃でもありました。物質的に懲らしめられないとわかった夫は、今度は隣の部屋に行き、どんどんと男の体重で足を踏み鳴らし、低い声で「おばけだぞぉ〜!!」とほえる。
「いやだぁ、こわい〜!」と一度はひるむものの、すぐまたドアノブをひねり、出てこようと・・・。
「おばけだぁぁぁ!」「いやだー、うぎゃーー!」
こんな闘いが、晩御飯の最中に突然始まったのです。上の階から聞こえてくる、2人の物凄い大声と物音に、おびえる私と息子。「あんな風にならないようにしようね」、「うん」と言葉を交わすのが精一杯。臆病で、苦しいことが大嫌いな私や息子は、「やれ!」と言われたら、怒られるのも殴られるのもイヤなので、とっととやってしまう性格です。無駄な抵抗をして、苦しい時間を長くしたくないのです。
ところが、互いの「意地とプライド」がぶつかり合う夫と娘の場合、結構どーでもいいことで、本気の闘いになります。本気ったって、相手は1歳半ですよ?でも夫には、どうしても譲れない線があるらしく・・。(誰が、いつ引いた線なんでしょうか??)
この日も、結局30分位の闘いを終え、下に降りてきて、「ダメだ、子供のうちから親をナメてるなんてあかん。がつーん!と教えないと」と鼻息フンフンの夫。う、うん、その心意気が伝わってたらいいね。ご飯途中にして、全力でがんばった甲斐があったってもんだよね。
しかし、以後ほうみさんが懲りてぐずらなくなったか、ニヤニヤ笑いをやめたかと言えば・・。
あんま変わってないよーな・・・(苦笑)。
<その2>
そんなほうみも2歳になり、4歳の兄・まりぅと口喧嘩ができるようになった今日この頃。ある晩、ささいなことで2人が言い合いを始めた。互いに、「ほうみ、わるい」「まりぅ、わるい」と何かの原因を押しつけあっている。注意してもなかなかやめない。私と夫はまだ晩御飯を食べていたので、夫が「お前ら、静かにしろっ!!もう言うな!」と大声で止めた。
怖くなって口をつぐむ息子をよそに、「なんだよ、楽しくやってたのにぃ」という顔で夫を睨むほうみ。しばらくして、ニヤ〜っと笑い、ぼそっと一言。
「ぱぱ、わるい」
はっ、な、なんてことを
よりによって、我が家で一番誇り高い人に喧嘩を売るとは・・!?夫の顔色を伺う私とまりぅ。当然瞬時にして沸騰した夫は、「なんだとーーー!!」と怒鳴ろうとしたが、口に食べ物が入っていた為、ひとまずは飲み込み、呼吸を整える。その間もほうみは「してやったり」という顔でニヤニヤ。それがまた気に入らなかった夫は、呼吸を整え、息を吸い込んだ。あ、雷炸裂かも・・、そう覚悟したのだが、
「おまえはっ、おまえはパパがわる、わるい、うう゛ぅ〜ん・・・」
と気合いがすっぽぬけて、夫は言葉が続かなくなった。つまり、
完全に敗北した瞬間だった。
私は、腸がひっくり返るほどおかしかったが、大笑いすると夫にも睨まれそうだし、娘を助長しそうだしで、必死にこらえた。爆笑もんなのに、口を押さえて吹き出すのを、必死にこらえねばならんとは、誇り高いのが家族にいると、苦労するのぅ。(その点、私と息子はその類のプライドは持ち合わせていない。苦痛を避ける方が大事だ、うん。)
結婚してから、8歳年下ではあるが、口喧嘩をしたり、何をしても、大抵私は夫に勝てない。私は口数が勝るだけで、一体どうやったら夫という人間を負かしたり、傷つけられるものだろう??と本気で考えたこともあった。
しかし簡単じゃん。この娘の所業を見て、1つわかった。
「誇り高い奴は、『バカにされる』ことを最も嫌う。本気でバカにされてしまったら、あまりのショックに、冷静に言い返せなくなってしまう」
という法則を。
知らなかった、こんな簡単な撃退方法があったとは・・。しかも「バカにされる」ことに、こんなにももろいとは。ま、だからと言って、夫をバカにする言葉を、私や息子が簡単に言えるわけはないですが(だってやっぱ怖いもん、あとでやり返されるし)、こうした性格を知り抜いた娘は、いとも簡単にやってのけるのでした。
33歳のペドロ君、2歳の娘に完全に撃沈される、の巻〜。10年後、もっとしたたかになった娘は、父親をどうからかうのでしょう?その時も、私と息子は息を殺して、笑いをこらえるんでしょうか?
それよか、口の達者になったほうみの何げない一言で、ペドロが本気で落ち込む姿が、今から見えます。私は、その時の慰めの言葉を、今から用意しようと思います。どう見たって、パパに勝ち目はありません。
そんなこんなで今年も、お店とこのブログを通して、多くの方にお世話になりました。来年も、爆笑からシリアスネタ・新作ビーズ情報まで、あれこれ満載でやっていきますので、よろしく〜