ども、先日「ガレリエ・クラール」でのセールにお越し頂いたすべての皆様、本当にありがとうございました。寒かったですけど、老若男女さまざまな方とお話ができ、とても楽しかったです。本当は毎日お店に立ちたい気分です。でも体が1つしかありませんから、残念でございます。
さて、暑苦しい情熱を胸に秘めたペドロ父さんの教育は、今日も続きます。
欧州ではどこの家庭もそうなのか、白人文化がそういうものなのか知りませんが、主人は食事中のマナーにめちゃくちゃうるさいです。主人に言わせれば、私のマナーも「基本がなってない」んだそうで、椅子への腰掛け方、姿勢など時々注意されるんですが、「うちでくらいいいじゃん、リラックスさせてよ〜」と思っている私は、てきとーに聞き流します。
ところが聞き流せない(というより逃げられない)のが、うちの子供たち。「子供のうちにちゃんと躾けておかないと、大きくなってから困るんだ。大人になってからじゃ直せないだろ!!」 そりゃいいよ、わかる。でもこんなしつけ方、どう思います?皆さん。
5歳の息子・まりぅは早食い。よく噛まず飲み込むし、箸やフォークでだだーっと口へかき入れるので、こぼすこぼす。食後の椅子の周りは、確かにあまり見たくない光景だ。
ご飯中におしゃべりが高じれば、平気で遊びだす。お箸やスプーンを何かに見立て、「ガッチャマン!」とか「ポケモン!!」などになりきっている。
しかしそのたびに、とーちゃんから鉄拳か雷(怒鳴られる)が飛んでくる。よって、1回の食事中に10回ぐらい泣くハメになる。ある日、あまりに汚い食べっぷりに、しつけ疲れたのか(めちゃくちゃ怖い顔で)こう言った。
「お父さんは、病院でまちがえた!自分の子供が生まれて持って帰ってきたと思ったが、まちがえて犬を持って帰ったんだな。だからこんな動物みたいに食べるんだ
」
「ちーがーうー、ぼくにんげんだよぉ〜
」
「だったら、人間らしく食べろ!!」
「ぐし、ぐし・・・・・はい・・・」
でも子供って、悪気なく3秒後におんなじことすんだよね。
最近では犬じゃなく豚になってきて、「豚でいいなら、机の下で食え!それならお父さんはもうなんにも言わん!」と叱られている。
それでも早食いのやめられない息子は、今日も箸とスプーンと手をめちゃくちゃに使って、食材をテーブルの周りにまき散らしながら、元気に食べている。母親的にはこの「元気に食べられている」が一番重要。あとでリビングを歩くと、色んな食材が靴下のウラにくっつき、確かに不愉快だが
。
(
折り紙で作った「ひげ」だそうです。)
かたや、「お父さんのことが、まったく怖くない妹・ほうみさん、3歳」は、私やお兄ちゃんには考えられない手法で、暑苦しい父親に対抗している。
「嫌いなものも食べなさい!」と言われたら、しぶしぶ我慢して食べるまりぅは、幼い時の私と同じだ。「どーせ怒られるもん。ママは許してくれないもん。だったら早く食べて、嫌な時間を短くしちゃえ!」が発想の根源。
(
毛糸で作った「ラーメン」をもって喜ぶ、の図。)
ところが
頑固で誇り高い欧州の女・ほうみは、いやといったらいや。殴ろうが、脅そうが、ムリヤリ口に入れようが、最後にはべべーっと口から吐き出し、絶対に飲み込まない。これじゃあ、我慢して食べてるお兄ちゃんはなんなんだ!?と母親の私も思うのですが、この意思の強さには、ほとほと手を焼いています。
ある晩も、なんだったかを食べないと言い出したので、主人が「好き嫌い言わずに食べろ
」と怒った。この場合、雷が落ちてもやむを得ない状況なのだが、それにむっとした娘。
「あら、なんだかあたくしに命令するウザイ奴がいるじゃないのヨ」とばかりに、いきなりぐー
で、ペドロの顔を殴った。それも「勇気を出して・・・えいっ!」という感じじゃ全くなく、ふつーにサンドバッグを殴るように。
ひえええぇぇぇー、な、なんということを・・
!思わず手で顔を覆う私とまりぅ。指の間から主人を見ると、ほんっとに漫画みたいに「わなわなわな・・・」とふるえている。「お前はっ、パ、パパの顔を殴るとわぁ〜」(←あまりの怒りに言葉が続かない。)
娘はしれっとした顔をして(つまり大層なことが起こったという様子はなく)、「で、何か?」という表情。その顔を見て、主人は更に激怒。よく覚えてないが、ガミガミ説教するペドロと、全く動じず「パパが悪いんじゃん」とクールなリアクションをとるほうみの間で、(いつものことだが)険悪な空気に。
私は、まりぅの耳元でそっとつぶやく。
「まりぅとママは、平和でいようね。」
「ママ、へいわってなに??」
「えーとね、けんかしないってこと。今のパパとほうみちゃんみたいじゃないってこと。」
「あ、うん、わかったよ。そうだね。」
こんな我が家の食卓が静かになることは、当分なさそうです
。