半年以上も更新されなかったこのシリーズ。おっひさしぶりにいってみよう
核家族で共働きの我が家。そして会社とは言っても半ば自営業に近いですから、異常に長い労働時間が、どうしても子供とすごす時間に制限をもたらします。
子供達は3歳をすぎると、やれ風邪だ、お熱だと休む回数もかなり減ってきて、ほぼ皆勤賞になります。それでも、たま〜に病気をします。そういう時は「体が」というより、「心が」親を必要としていることが多いように思います。子供達の「心のサイン」が発信されたら、できるだけすばやく、できる限りの対応をしたい、と主人も私も考えています。
どの家でもそうでしょうけど、最初の子というのは親にも初めての子育て体験ですから、何かと心配性で神経質になりがちです。私もそうでした。だからそんな私の心を映すように、息子はとてもデリケート。時々保育園での様子が変になります。先生から詳しく話を聞いて、「これは、なんだかマズイ・・」と感じた時には、敢えて休ませ、主人か私が共にすごすようにします。(滅多にはありませんけどね。)
そんな滅多にはないある日、熱きラテンの血がたぎるペドロ父さんが「今日はまりぅ(当時4歳)の心のメンテナンスデーだ。会社は頼む」と言うので、私もそれがよかろうと承知。どんな1日をすごしたのだろう?と思いながら、帰宅するとこんな逸話が・・・。
うちの前でまりぅと植木の手入れをしていた。時折どこかから「コン、コン」とする音に「
」と思いながら。振り返ってみると、なんとまりぅが、通り過ぎる車に向かって石を投げているではないかっ!
「どわ、お前何するんだ!」とやめさせた後、「確か、しばらく停まった後走り去ったのは、佐川急便のトラックだったよなー」と思い出す。心の中で「運転手さん、もーしわけないっ!」と謝る。
次に金魚でも飼うか、と考えていたペドロ君は、まりぅを連れて水槽を買いに。どれにすっかなーと考えあぐねていると、「妙に苦しそうな表情の店員」さんに気づく。なんでかな
と思いながらも、更に水槽選びに没頭。
ふと後ろを見ると、まりぅは各水槽に白墨で書いてある熱帯魚の値段を、次々に一生懸命手で消していた。そのすぐあとには、これまた懸命に書き直していく店員さんの姿が・・・
。
公共の場で人に迷惑をかけるのが大嫌いな主人は、
「こらー、やめんか」と怒鳴ってゲンコツをくらわせ、慌てて水槽を決め、帰宅。あとで「しかしあの店員、なぜ注意してくれなかったんだろう。苦しそうな顔でずっと僕を見てたんだがな」とペドロ。「その店員さん若かったんでしょ?あなたが外人さんだから、言いにくかったんじゃないの?」と私。「そうかなぁ。悪かったなー。まりぅが高速で消していく脇から、ぜんっぶもう一度書いてたんだもんな」ーその店員さんにとっても、ある意味忘れられない体験だったんぢゃ
・・。(親として)も、申し訳ありませんでした。
こんな失敗談ばかりのメンテナンスデーでしたが、効果は確かにありました。
このしばらく後、保育園にお迎えに行くと、責任者の先生にこんなことを言われました。「ママ、こないだのパパとのお休み、よかったみたいよ。今日いつものように男の子同士で喧嘩になったんだけど、手を出さず、ぐっとこらえることができたの。少し前まで怒りをコントロールできなくて、ちょっと心がすさんでるかなぁと感じてたんだけど、あのお休みがよかったのね」と。
「あぁ、そんなことがあるのか」と感じ入らずにはいられませんでした。そのお休みを取る前のしばらくの間、仕事がものすごく忙しくて、うちでも「両親の心、ここにあらず」みたいな状況になっていました。そのことを、息子の心は敏感に感じ取っていたんですね。ペドロ父さんが、そのSOSを早めに察知してくれたことも、功を奏しました。
さて、最近の子供用パズルには、お片づけに便利な厚手のビニール袋がついています。これがあるとバラバラになったピースがなくなることもなく、とても便利です。
これもまりぅが4歳だったある朝、朝食をすませ、他の家族の準備を待つ間に、パズルをやって待ってました。ふと気づくと、両足をバタバタさせている。顔を見ると、すんごく変
ストッキングをかぶった銀行強盗みたいになって、ブタっ鼻になっている。遠くから見ていた私は、視力が悪いこともあって、とっさに状況が飲み込めなかった。
その時ペドロ父さんが、「おい、死ぬぞ!取れ!!」と叫び、何かを引っ張った。そしたら
すっぽん!と抜け、真っ赤な顔をしたまりぅが、ひーはーと、必死で空気を吸っている。
どうやら、自分でパズルのビニール袋をかぶったらしい。小さいその袋は、丁度まりぅの頭周りにぱっつんぱっつんで、かぶったはいいが取れなくなった。当然呼吸もできない。自分で取ろうとするが、きつすぎてせいぜい鼻がブタっ鼻になる程度でストップ。
私はまさか窒息しているとも知らず、「また私のストッキングかなんかかぶって、アホなことしてる」と思った。ペドロが気づかなければ、死んでたかもしれないのだ。パズルのビニール袋なんかで・・・。
まったく、どーしてこう思わぬことをするもんですかね、子供っちゅーのは。
熱きラテンの血がたぎるペドロ父さんの、息子のための「心のメンテナンスデー。」前回バージョンは、
こちらからお読み頂けます。お暇な人はどうぞ。